週末田舎通いのルーツはオートキャンプ
都会からの最初の脱出
大阪で暮らし始め、結婚し、子供たちが中学生になるぐらいまでの何年か、畑を始める直前まではせっせとオートキャンプにでかけていた。
能勢の山でカタツムリを見つけ、青少年期以前に見た記憶しかなかったもので、いたく感動して子供たちに見せたものだが、今、ここの農園にはカタツムリなどいくらでもいるし、あまり喜ばしい存在ではない。
キャンプで目に留まる自然は、新鮮さと懐かしさの入り混じったものだった。
しかし、それは田舎の上っ面を撫でるだけのものであり、日常的に山のふもとで始めた畑には更に新鮮な驚きがいっぱいあった。
今思うと、故郷や田舎への郷愁の始まりの時代だったのだが、アウトドア生活もなかなか楽しかった。
今と違い、子供たちも一緒だったのだから、これはまた貴重な時間だったといえる。
子供達が中学に入って、行くのを嫌がるようになるまでの数年、自然の中で得がたい時間を過ごすことができた。
ファミリー オートキャンプ
大阪に住んでいた当時は遠くの山の中だが、今は日常的近所になる能勢や丹波の春日や市島、柏原あたりから、奈良・天河、和歌山、滋賀、岐阜に長野までキャンプ場を巡った。
シーズンには月に1回から多いときには週に2回!!
オフぎりぎりの11月始めにコテージに泊まり凍え死にそうな思いも体験した。
初めてのテントが、土砂降りの雨の中で、雨水でご飯を炊いたこともあった。
また、台風が近づいていて我が家以外誰もいなくなっているキャンプ場で、木の枝のなる音と、雨音に、眠れなかったキャンプもあった。
これだけ頻繁に行っていれば、悪天候にもかなりの確率で遭遇する。
若かった
体力気力も今とは比べ物にならないぐらいあったからできた。
エスティマに荷物を満載して、下ろして、近所の人からは何回も「引越しですか」と言われた。
準備して、片付けてのエネルギーだけで相当のもの。
笑えるのは、当時飼い始めたばかりだったセキセイインコも何回か連れて行ったこと。
太り過ぎて飛んだことのない鳥だったからと、外に出したら500m以上飛んで行って森の中の木の枝に止まった。
幸い見つかって連れて返ったが、子供たちも大泣きの大事件となった「ピーちゃん事件」。
最後のほうは信州、岐阜と、遠くになったが、下の子も中学生になろうとする頃にはさすがに喜ばれないようになった。
キャンプ無くして生活ができるかと思っていたにもかかわらず、唐突にキャンプ時代は終わりを告げた。
キャンプから野菜作りへ
それからしばらくして農園を借りることになった。
そんなキャンプ時代があったのが山裾の菜園に繋がったともいえるが、農作業自体はほとんどやった経験がなかったので見るものみな目新しいことばかりだった。
初めて農園に行った時期が11月初旬だったので、取り急ぎ「タマネギの苗を買ってきて植えな」といわれたのだが、それだけのことになんだか凄いことを言われた気になった。
タマネギの苗って何!?というところから始まる。
どんな姿をしているのか、どこで売っているのか!?
いかに何も知らなかったか・・・・・。

初めて植えたタマネギ苗
最近出会う人で、タマネギ苗を知らない人になど会ったことがない。
農園を見学に来た人でさえ、あれは何でこれは何と、よくご存知だ。
タマネギ苗、時期が遅いとはいえ、ホームセンターに行けばいくら大阪市内でも置いていたかもしれないが、我々はそれをの近所の花屋に求めた。
当然置いているはずもなく、取り寄せた。
何日か後受け取りに行き、今思えば貧弱な苗を200本、ベランダに置いた。
一晩水につけていたような記憶がある。
始まりの記憶である。
当然、その後出会うもの全てが新鮮だった。
今、さすがに14年目ともなるとなにもかもが日常的景色となり、少々面白みに欠ける。
早く次のステップに踏み出したいところだが諸々の事情で少々停滞中。